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★外出自粛によるフレイルを予防しましょう ~しっかり食べて、しっかり動く!~(食事編)★

2020/06/05

緊急事態宣言の解除後も第2波への警戒やこれまでの生活習慣から、まだまだ外出を控える傾向は続き、運動量や社会的交流も少なくなりがちです。この状況の継続は、特に高齢者の虚弱状態(介護が必要となる手前の筋肉などの身体機能や認知機能が低下している状態)いわゆるフレイルを助長してしまう危険性があり、注意が必要です。
日本老年医学会は、2週間動かない状態が続くと、7年間に失う筋肉量に匹敵する筋肉が失われるとし、生活不活発(ほとんど動かない状態)にならないよう注意を促しています。フレイルの要因は様々
ですが、フレイルが進まないよう、「食事」「運動」「人との交流」に気を配り、心身共に予防を心がけて生活することが大切です。

そこで、今回は「フレイルを予防するための食事について」お話しします。

フレイルを予防するための食事では、
 ①多様性に富んだ食事を3食欠かさず食べること
 ②しっかりバランスよく食べて栄養をとること
 ③からだ(特に筋肉)を作るために大切なたんぱく質をしっかりとること
※※
を意識することが大切です。



(引用:フレイル予防のための食のサポートブック(東京都西多摩保健所)

たんぱく質をしっかりとることは、筋肉量を維持するためにも特に重要です。フレイルを予防するためには、高齢者(65歳以上)では1日に体重1kg当たり1g以上のたんぱく質をとることが望ましく、また、3食にバランスよく振り分けることが大切です。体重が60㎏であれば、60g以上のたんぱく質を3食でバランスよく分けて食べることになります(食品中のたんぱく質含有量は、目安として、豆腐100gで5g、鶏肉100gで25g程度です)。

以下に、フレイル予防のための「簡単にたんぱく質をとるポイント」をあげてみました。
是非、ご参考にしてみてください。
(しっかり食べて、しっかり動きましょう!)


《 フレイル予防のための「簡単にたんぱく質をとるポイント」 》
1.少量でも良質なたんぱく質を選ぼう!

 (良質なたんぱく質・・・からだでの利用率が高く、余分な老廃物となるものが少ないたんぱく質)
   例:肉類、魚介類、牛乳・乳製品、卵類や大豆・大豆製品、など
2.ちょい足しでたんぱく質をふやそう!
   例:鮭フレーク、ツナ缶、牛乳、ヨーグルト、豆腐、納豆、マヨネーズ、など
3.3食でとれなければ、間食を増やそう!
   例:ヨーグルト、チーズ、牛乳、など
4.高たんぱく食品や栄養補助飲料を活用しよう!
   例:150kcalマイサイズいいね!プラス(たんぱく質)、メイバランス®
            テルミール®、など
5.その他:是非とって欲しい栄養素!
 (不足するとフレイルの危険と関連する栄養素)
 ・ビタミンD
   例:鮭、さんま、いわし、しらす干し、かれい、ぶり、きくらげ、干ししいたけ、
      まいたけ、など
 ・ビタミンE
   例:玄米、うなぎ、シーチキン、ナッツ類、たらこ、ししゃも、アボカド、キウイ、
     など
 ・ビタミンC
   例:ピーマン、ゆず、パセリ、煎茶葉、のり、小松菜、ブロッコリー、カリフラワー、
       じゃがいも、さつまいも、柿、キウイ、など
 ・葉酸
   例:モロヘイヤ、パセリ、ブロッコリー、ほうれん草、焼のり、レバー、いちご、など

 
2020年4月より、75歳以上の高齢者を対象にフレイルの予防を目的とした検診が全国で始まることとなっています。検診では、フレイルなど高齢者の特性を踏まえて健康状態を総合的に把握するという目的から、(1) 健康状態、(2) 心の健康状態、(3) 食習慣、(4) 口腔機能、(5) 体重変化、(6) 運動・転倒、(7) 認知機能、(8) 喫煙、(9) 社会参加、(10) ソーシャルサポートの10類型に整理された15問の質問文からなる質問票が用意されています。
※※ 日本人の食事摂取基準 (2020年版) では、フレイル予防を目標として高齢者のたんぱく質の目標量が見直され、成人よりも高く設定されました。高齢者の食事においては、たんぱく質を増やした食事を強く意識していくことが必要です。

【参考】
○日本老年医学会(「新型コロナウイルス感染症」高齢者として気をつけたいポイント)
 https://www.jpn-geriat-soc.or.jp/citizen/pdf/coronavirus_01.pdf
○NHK解説委員室(「長引く外出自粛 高齢者は楽しくフレイル予防を!!」(くらし☆解説))
 http://www.nhk.or.jp/kaisetsu-blog/700/427226.html

○東京医科大学病院(食彩たより 第40号)
 http://www.tmd.ac.jp/medhospital/medical_central/document/eiyou_syokusai40.pdf

○日本生活習慣病予防協会(高齢者でタンパク質が不足 フレイル・サルコペニアを予防するためにタンパク質の摂取に工夫を)
 http://www.seikatsusyukanbyo.com/calendar/2020/010170.php
○国立長寿医療研究センター(No.9【認知症予防】良質なたんぱく質とは?)
 https://www.ncgg.go.jp/cgss/department/ep/topics/topics_edit09.html
○国立長寿医療研究センター(健康長寿教室テキスト)
 
https://www.ncgg.go.jp/cgss/department/flail/documents/20160630kennkoutyoujutext.pdf
○厚生労働省(後期老齢者の質問票の解説と留意点)
 https://www.mhlw.go.jp/content/12401000/000557576.pdf
○メディカ出版 臨床栄養ディクショナリー(栄養素を多く含む食品一覧)