田辺薬局 在宅事業の特徴
介護保険制度がなかった時代から、在宅支援のパイオニアとして動き出す
私たち田辺薬局が在宅医療をスタートしたのは、まだ介護保険制度が整う前である1990年代。
当時は在宅医療のサービスも少なく「薬剤師が患者さまのもとへ行く」ことがなかった時代です。
そのようななか、薬局の窓口で介護されているご家族のお話をうかがうときに、次の課題に気づきました。
- 医師が気づきにくい薬の相互作用や副作用がある
- 病院では退院後のアフターフォローが十分にされていない
- ご家族は薬の管理に悩んでいるのに、相談できる場所がない
実際、薬局の窓口でも寝たきりの高齢者のご家族から「どう飲ませればいいか分からない」「飲み残しがある」といった声が頻繁に届いていました。
その一方で、患者さま本人が薬局に来ることは困難であり、十分なケアが届いていないのが当時の実情です。
だからこそ田辺薬局では「薬剤師が現場に関わることで、もっとできることがあるはず」だと考え、制度やマニュアルがない中で、独自に在宅支援をスタートしました。誰かに言われたからではなく、必要だと思ったから自分たちで切り開く。私たちはそうして在宅医療の道を拓いてきました。
薬を届けるだけでなく、生活の中での治療を見つめる
田辺薬局の在宅支援は、ただ薬をお渡しするだけではありません。患者さまとそのご家族に対し、医師から処方された薬の説明はもちろん、飲み方や服薬のタイミングの指導など、ご自宅での服薬を、安心して続けられるようにすることを第一に考えてサポートを提供しています。
たとえば、副作用による転倒リスクや嚥下障害(飲み込む動作の障害)、認知機能への影響など、こうしたリスクと治療の必要性を見極めることで、
医師と連携しながら処方内容を検討し、患者さまとご家族に共有いたします。
また、患者さまを支えるご家族や介護者の負担に目を向けることも大切です。
「この量は飲ませきれるか?」「介護者の生活に過剰な影響がないか?」といった視点からも、安心して続けられる形に整えます。
暮らしの中で起こる困りごとを解決する、薬のパートナーとして、これからも患者さまとご家族を支えます。
薬局に行くのが大変な方
外出が難しい方には、薬剤師が定期的にご自宅や介護施設へ訪問し、処方せんに基づいてお薬を準備・セットいたします。また、経腸栄養剤や輸液などの重い薬剤、介護用品のお届けにも対応し、日常生活を幅広くサポートします。
お薬の服用にお困りの方
「服用する薬が多い」「錠剤が飲み込みにくい」などのお悩みに対しては、数種類のお薬を1回分ごとにまとめる「一包化」や剤形の工夫(粉砕・シロップなど)をご提案。 一包ごとに服用時間や日付を大きく印字・色分けしてお渡しするため、飲み間違いのリスクを抑え、毎日の服薬管理をよりスムーズに行えます。
飲み忘れ・混乱を防ぎたい方
当社オリジナルの「おくすりBOX」や「おくすりカレンダー」を活用し、朝・昼・夕・ねる前に服用するお薬を整理して管理できます。「飲んだかどうか分からなくなる」「つい紛失してしまう」という心配も減り、服薬を続ける負担がぐっと軽くなります。
病気やお薬に関する不安がある方
薬剤師が食事・睡眠・排泄などの日常生活の変化を丁寧に確認しながら、お薬の効果や副作用をチェック。複数の医療機関からの処方や、市販薬・健康食品との飲み合わせについてもご相談いただけます。
「体調が良くならない」「飲んだあとに調子が悪い」と感じたときも、ぜひお気軽にお声がけください。